「自分が動かないと現場が回らない」 「部下に任せるとクオリティが下がるから、結局自分でやってしまう」
その気持、とてもよくわかります!私も全て自分でするタイプでしたが、ある日新型コロナに感染し5日自宅待機。その後出社すると「なんじゃ〜!こりゃ!!」と言いたくなるような悲惨な状況でした。
もしあなたも同じように感じているなら、あなたは「優秀なプレーヤー」ですが、「生産性の高いリーダー」ではないのかもしれません。
個人の作業スピードを2倍にするのは至難の業ですが、チームや仕組みを使って成果を10倍、100倍にすることは十分に可能です。
結論、上級者が目指すのは、「自分が働かなくても、価値が生まれ続けるシステム」を作ることです。そのための3つの視点を紹介します。
1. 「属人化」を排除 「仕組み」に落とし込む
多くの現場で生産性を下げている元凶は、「あの人じゃないとわからない」という属人化です。
上級者は、自分の優秀さに頼りません。自分が欠けても回る「仕組み(システム)」を構築することに全力を注ぎます。
マニュアル化とテンプレート化
昭和の職人さんあるある「仕事は俺の背中を見て覚えろ!」は生産性における最悪の教育法です。
- 判断基準の言語化: 「なぜAではなくBを選んだのか」という思考プロセスを言語化する。
- 再現性の確保: 誰がやっても「80点」が取れるマニュアルやチェックリストを作る。
あなたがやるべき仕事は、実務をこなすことではなく、「凡人でも天才と同じ結果が出せるルート」を設計することです。
2. 他人の時間と能力を使う(レバレッジ)
アルキメデスの「てこの原理」のように、小さな力で大きな岩を動かすのがレバレッジです。
「任せる」技術(デレゲーション)
中級までは「不要な仕事を捨てる」でしたが、上級では「自分ができる仕事でも、他人ができるなら任せる」ことが鉄則です。
たとえ部下があなたの70%のスピードしか出せなくても、あなたがその時間で「あなたにしかできない戦略業務」を行えば、チーム全体の生産性は跳ね上がります。任せることは、サボりではなく「投資」です。
心理的安全性の確保
Googleの調査(プロジェクト・アリストテレス)で判明した通り、チームの生産性を決める最大の要因は「心理的安全性」です。
この調査では、成功するチームの共通点として、「心理的安全性」に加えて「信頼性」「構造と明確さ」「仕事の意味」「インパクト」の合計5つの要素が重要であると特定されました。
「ミスをしても責められない」「異論を唱えても大丈夫」という空気を作ることで、報告の遅れや隠蔽(最大の生産性ロス)を防ぎ、チーム全員のパフォーマンスを最大化させます。
3. 「時間をお金で買う」投資家思考
基礎編では「コスト削減」を意識しましたが、上級編では「ROI(投資対効果)」で考えます。
- ハイスペックなPCやツールへの投資: 数万円をケチって動作の重いPCを使うのは、従業員の時給をドブに捨てているのと同じです。
- プロへの外注: 自分が苦手なデザインや経理作業を3時間かけてやるくらいなら、1万円払ってプロに30分でやってもらう。
「出費を減らす」ことよりも、「時間を最大化するために、どこにお金を投じるか」という投資家の視点を持つのが上級者です。
明日から実践できる「上級者」のアクションプラン
① 「自分をクビにする」計画を立てる
もし明日、あなたが1ヶ月入院することになったら、現場はどうなりますか? 「自分が現場からいなくなる」ことを前提に、業務フローを見直してください。ボトルネックになっている箇所(自分しか承認できない、自分しか知らないパスワードがある等)を徹底的に潰します。
② ミスを「人のせい」にせず「仕組みのせい」にする
部下がミスをした時、「気合が足りない」と叱るのは三流です。
- 「チェックリストがなかったからではないか?」
- 「入力画面がわかりにくかったからではないか?」
「人がミスを犯せない仕組み」をどう作るか?と考えることで、恒久的な生産性向上につながります。
③ 「緊急ではないが、重要なこと」に時間の8割を使う
アイゼンハワー・マトリクス(時間管理マトリクス)を、『7つの習慣』における「4つの領域」の考え方に基づき、日本語で分かりやすくまとめると
・第一領域 緊急で重要【危機と問題】今すぐ対応が必要な緊急事態
活動例: クレーム対応、納期直前の仕事、切羽詰まったトラブル対応
・第二領域 緊急ではないが重要【質の高い時間】真の生産性を生むリーダーの時間
活動例: 仕組み化、人材育成、計画立案、関係構築、健康維持
・第三領域 緊急であるが重要でない【見せかけの緊急事態】緊急に見えるが、他人に任せられる仕事
活動例: 多くのメール・電話対応、重要度の低い会議、他者の依頼による中断
・第四領域 緊急でないし重要でもない【無駄な時間】価値も成果も生み出さない活動
活動例: 待機時間、生産性のない雑談、惰性で見るテレビ
上級者が注力すべき領域は「第二領域」です。
- 人材育成
- 業務プロセスの改善
- 新規事業の構想
- 人間関係づくり
これらは今日やらなくても誰も困りませんが、半年後の生産性を劇的に左右します。目先のタスク処理(緊急事態)から脱却し、未来への種まきに時間を使うのが、真のリーダーです。
まとめ:生産性の3段階
これまで解説してきた3つのステージを振り返ります。
- 基礎編(Individual Efficiency):
- 定義:成果 ÷ 時間
- 行動:ムダを削る、スキルを上げる。
- 中級編(Focus & Energy):
- 定義:選択と集中
- 行動:パレートの法則(80:20)、やらないことを決める。
- 上級編(Leverage & System):
- 定義:仕組み化と投資
- 行動:チームで勝つ、再現性を作る、未来へ投資する。
あなたが今どのフェーズにいるかを確認し、一つ上の視点を取り入れてみてください。 「頑張って働く」から「賢く仕組みを動かす」へシフトした時、あなたの生産性は限界を超えて伸びていくはずです。



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